2013年7月20日土曜日

参院選について考えてみた・・。

いよいよ参院選の投票日が近づいてきた。なんか政治とことを横目で見ながら色々と考えていて、世間ではネット選挙が始まり、そして選挙関係者の誹謗中傷合戦を眺めていた。

そんな世間を眺めていたら、自分としての結論は「選挙なんか、別に誰が誰に入れてもいいんだ」という、結論に達した。
好きな人に入れればいい、と。もし今回の選挙で比喩的な意味でのヒトラーが出ていれば、そいつに白紙委任状を書けばいいんじゃないの、ということでもある。

さて、どの候補者も自分が当選したいと思って選挙活動をしている。(泡沫候補は別かもしれないけど)
選挙はゼロサムゲームに近いから、他人の票が減れば、自分の票が増える。対立候補の票が、自らの陣営に来れば、相手のポイントがマイナス1点、自分のポイントが1プラスだから、2点ゲットできるということで、誹謗中傷合戦になる。

一般に誹謗中傷が大量に出るのは、良くないことだとされているのだけれども、自分はこれで本来の形に戻ったと思うのだよね。
なぜなら、政治の本質は権力闘争だから、本来、誹謗中傷のような情報がまったくないクリーンな情報だけで候補者が投票できるなら、共産主義における計画経済のような社会運営の方が効率がいいはずだから。
世の中が正しい情報に満ちあふれていて、誰が正しい判断ができるのかが先にわかっているなら、その誰かにすべてをゆだねた方が、はるかに効率はいいはずだよね?

感情と個々が利益を争う仮想的なサバンナのような場所で暮らす動物、としての本性が抜けきらない僕ら人間、が集まる社会においては、誰もが自分の利益を最優先にする。
誰かが得をすれば誰かが損をするなら、自分勝手にお互いがお互いを食い物にして、人が人を騙して利益を得て、他人に苦しい仕事を押しつけて、楽に暮らして自分だけは幸せになろうとするものだ。ノーメンクラツーラってやつね。

だから、社会に多数決というものを持ち込んで投票で決めようじゃないか、ということになった。ならば、そんなワイルドな感性で決断を迫られるなら、もともとゴチャゴチャした誹謗中傷合戦の中から、気合いを入れて自分の好きな意見というものを見極めた方がいいと思うんだ。それが本当の平和ボケからの脱却ってもんじゃない?

何も別に平和を乱すものは、外国が軍隊を送り込んでくることじゃない。
年3万人も自殺するという状態のこの国は、すでに人々が精神的な内戦を戦ってる戦時と別に変わらないんじゃないかと思う。銃で撃たれて死ぬ代わりに、自ら電車に飛び込んで死んだりする戦争だ。

むしろ、これをきっかけにするべきことは、「コントロールを取り返す」ことだと思う。
CMとないまぜにしながら、社会の為政者が無料で垂れ流すテレビ番組を漫然と見て、わかったつもりになってるのはよくないことだと思わないとね。彼らはスポンサーに不利なことは言わないでしょ。誹謗中傷合戦、ゴミ情報の海から砂金を取り出すんだ。

コントロールを取り返せば、皆、自分の利益や立場やその他もろもろを考え始める。そして賢い意見もあれば、愚かな考えもあるだろうけれど、そういったものをぶつけ合っていけるなら「別に誰が誰に入れてもいい」と思うんだ。みな、自分の立場と利益を勘案して、自分の好きな政策を選んで、それで多数決で決まるなら、それが天意というものだよ。それで間違っていたなら、みんなで滅亡すればいいじゃんということだ。

やっちゃいけないのは、「おまえバカのくせにそんなこと言ってるの?」的な言説に負けないことだと思うのだよ。
これに負けるというのは、他人の奴隷になるのを選んでも構わないということと同義だからね。

さて自分が思うに、もう日本のシステムはかなり古くなっていて、その負の遺産が今の停滞時代を招いているように感じるんですよ。そんなこともあり、ちょっと考えを書きたいのだけど・・。

自分は結論から言うと、まず原発には反対だ。だから、それを推進する政党も支持しない。
その理由は箇条書きで行きたいと思う。

1.危険性の放置。福島で原発が爆発したけれども、その収束が未だ見られない。原因も未だはっきりしない。こんな状態でこのまま原発の行政を維持するのは危険だと思うから。活断層の上に原発を作っている話とか、アタマが狂っているとしか思えない。
2.経済性の問題。今の原発システムは、使用済み核燃料を再処理することが難しいし、この先の改善もあまり見込めない。したがって原発を維持することは、この使用済み核燃料を数万年オーダーで保管する必要があり、これは発電時のコストが安いとしても、長期で見てコストにまったく見合わない。
3.責任者不在の問題。結局、東京電力の社長も会長もこれでクビになることはなかった。結局、何かあったとき、誰が責任を取るの?音声のない東電テレビ会議、何あれ。

原発を維持するメリットっていったいなんなんだろう?一時的に安くて安定的な電気を得られる企業が得するだけじゃないかとか。あるいは、そういうハコを作って儲かる企業群か。

もちろんその後始末は、国の税金でやるということだから、これだと他人の払った税金で、自分の金儲けを有利にしようとしてるだけじゃん、という感じでもある。
会社はなんか最高に長期で5年先、1年を四半期で分けて儲かっただの損したの経営者はクビだの言ってる世界だ。
そんな人たちが数万年オーダーで処理を考えないと設置できない今の原発を求められてもね、という。

さて実は、今回の憲法改正にも反対。だからそれを推進する政党も支持しない。
これも理由は箇条書きにしたい。

1.そもそも何で今、憲法を改正しないといけないの?
2.憲法というのは、元々為政者の権力の暴走から一般国民を守るためのもの。それを為政者が自分たちの都合で緩和しようというだから、そら恐ろしい感じがする。96条は、この憲法は簡単に変えちゃいけないよ、という手続き論の部分。そこに最初に手を付けてくるところに姑息さを感じる。
3.自民党の憲法草案が、人々を国家権力が抑圧することができるような、完全にアナクロの産物であること。96条を改正したあとに、次にこんな改正をするなんてことを考えているなんて・・、考えただけでもそら恐ろしい。もし、この自民党の作った憲法が日本の憲法になったら、この程度のブログを書いても、おそらく特高がやってきて、僕は起訴されることだろう。

憲法は一種のリミッターであって、国会議員が何か好き勝手に法律を作ろうとしても、それに限界を設けているシステムで、崖に人が落ちないように設けてある柵みたいなものなんだけど、今、その柵を取り払おうとしているのだよね。

例えば今の憲法では「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」とか書いてあるのだけど、これを例えば、日本が他の国と軍事的にぶつかったりしたら、テロの危険があるからとかなんとか言って、憲法を改正して「公共の利益のためを除き(みんなの利益のために)」検閲はしてはいけない、と変えたりすると、その公共の利益っていうの便利な言葉を使って、役所がやる仕事は、みんなの利益だから公共の利益でしょ、みたいな話になる。
そうすると国家が盗聴したり、社会の不正をあばく出版物を作れなくすることだってできるようになる。
恐ろしいことなんだ。

最後に、この前、テレビを見ていて驚いたことがあるんですよ。
ある自民党党三役の一人(女の人で野田さんじゃない方)が、憲法を議論する番組に出ていた。そこで彼女が言っていたことは、「今の憲法には不備がある。なぜなら今、総理大臣が欠けても、その時どうするべきかも書いていないんですよ」と言っていたことだ。
「ぇつ」って耳を疑う感じだった。この人、法律を作るのが仕事の国会議員で、しかも自民党の幹部である党三役の一人なのに、法律の基本構造がわかってないんだ!?という。

そういうことは、内閣法とかっていう別の法律で定めて、その中で決めればいいことだし、それは国会議員たちが国会だけで決めていい部分だからだ。しかも突然総理大臣が欠けて右往左往する事態っていうのは、小渕総理が脳梗塞で倒れて、結局森総理が後継になった時、それが密室で決められたと批判を受けたことを念頭に置いているのだろうけど、憲法は上にも書いたとおり権力の暴走を防ぐリミッターだから、「衆議院議員であると同時に参議院議員になっちゃダメ」とか、そういうルールは定めているのだけど、総理大臣が欠けたらどうするとかいう、そういった細かい手続きは一般の法律に委ねる構造になってるわけ。なぜならそういう細かい部分までも憲法で定めようとしたら、とてつもなく条文が増えてしまって、同時に改正もままならなくなるから。

さらに言えば、上記の事態は自民党内で起こったことだから、その事実を踏まえて法律を改正して改善していないということならば、自民党がその部分で仕事していないっていうことを示していることでもあるのに・・・、という二重の失言をドヤ顔で語ってるところに驚いてしまった。こんな基礎的なことも知らない人が役職に就いているような自民党もなあ・・。

もう忘れてるかもしれないけど、前回の安倍政権じゃ、農水大臣も謎の自殺を遂げてたりするんだよ?おまけに今回は自分のところの従業員が過労で自殺しても労務管理で問題なかったと言い切ってしまうブラック企業のワタミ前会長も公認しちゃうし。

確かにウソばっかりのマニフェストで無事消費税導入も果たし、憲政史上に汚点を残した民主党に投票する気はあまり起きないのだけど、今の危険きわまりない自民党にもとても投票できないよ、と思ってしまった。

でもまあ、最後は自分で考えて自民党がいいっていうひとは、それで投票してもいいんじゃないの、とは思うのだけどね。

投票は、個人に与えられた権利だからね。

共産党に投票するというのは、さすがに抵抗があるのだけど、今回ばかりは結構票を伸ばすかもしれないね。