2012年8月19日日曜日
2012年夏 ~ そしてお盆休み(世間の雰囲気をつれづれに)
お盆休みというのは、日本人の習慣で、先祖の霊が戻ってくるから休みましょう、とかいう話でありまして。
結局、みんなが休むから仕事の効率も落ちるし、そんなら仕事してもしょうがないよね、的にどこも休みになるわけで。
もっとも、この1年で最も暑くなる時期に、わざわざ混み合った仕事をする必要もないわけで、たまに家族と会って話をしたりするには、良い機会でもある。
8月15日、終戦記念日でもあるので、お墓参り代わりにお寺に参拝し、その後、靖国神社に行ってみた。
靖国神社では、この国で行われている学校教育にある「日本は負けて反省しないといけない」とか「君が代には反対する先生が起立しない」とかで小学校の頃に受けた教育の記憶とは全く違う雰囲気がある。
「日本は正しかった史観」がそこにあって、ここに集う多くの人たちは、「国のために亡くなった方々を供養しよう」「この国を守ろう」的な熱気で溢れている。
まるで別世界にいるようだ。
ここにはヤクザっぽい右翼の皆さんもいるけれど、本当に家族を戦争で失った遺族の人たち、政治家とその支持者、外人さん、あと日本兵のコスプレ(?)をして、気さくに人々と話をするおじいちゃん達もいて、実にお茶目で、そのキャラクターは実に魅力的だ。
ここには参拝のための神社という施設のほか、遊就館という、近代日本の戦争に関する文物をキュレートした記念館がある。
日本がアジアの中で独立と自尊のために死にものぐるいで戦った記憶が整理されている。日本人が力強く団結した記録や、「侍」の雰囲気を継承した数々の武器や文書、その他様々な貴重な物品、例えば戦闘機である零戦などが展示してある。
そこには、多くの人たちが生死をかけて戦った記憶があって、実に生々しい。
ここに来ると、戦いに明け暮れた中の圧倒的な人間ドラマがそこにあることがわかる。
色々なエピソードもどこか聞いたことがある。子供の頃から観ていた宇宙戦艦ヤマトも、ガンダムも、マクロスも、結局、太平洋戦争の記憶、あるいはそのエピソードのエッセンスを戯画化したようにも感じる。
その中心にあるのは、自分の身を挺して、国を守って亡くなった人たちの記憶の数々だろう。
さて2012年8月現在、福島で起きた原子力発電所が爆発したという、あの事故の収束点はまだ見えていない。
その影響で、ここ最近にも、社会的には色々なことが起きた。
6月頃から脱原発に関するデモが永田町で行われ、実数はわからないけど数万人が集まり、ネットでは「紫陽花革命」と言われたが、あまりマスコミでは報道されなかった。
為政者層に対するデモや活動というのは、別に脱原発に限らず、永田町あたりでは活動家はいつもデモを前からやっていたけど、この6~7月からの流れに違いがあるとすれば、その普段だったら「デモね、ふーん」とスルーするような人たちが、それに参加するようになったのが大きいと思う。
そんな中、消費税は8%、10%と段階を追って増税することが決まった。社会保障の維持のためには必要だと言って、それを世間の人は納得しているように見える。
で、その法案が参議院を通過したその日に、竹島に韓国のイ・ミョンバク大統領がやってきて騒ぎになり、人々は、消費税増税のことについてはあまり何も言わなくなっているように思う。
ここのところ、なんか急に竹島とか尖閣諸島とか、領土問題に関するニュースが増えたのを見ていると、「なんかの目くらまし?」かと思ってしまう。自分には、怒りのエネルギーの矛先をかわすため、日韓の偉い人たちが起こしたプロレス劇場のような感じもする。
逆にこういうことで一般の人たちが焚き付けられて、来年あるだろう総選挙にも、割と強硬的な人たちに権力が渡る原因になるのかな?という感じもあって、その辺考えると、そら恐ろしい感じもする。
で、日本の歴史をざっと眺めると、ひとつの共通点があるような気がする。
それは「偉い人が誰だか判らなくて、結局誰も責任を取らない」ということであって、太平洋戦争では、作戦に失敗した参謀のクビを切ることがなかった。例えば東条さんは、当時、実は人格者と言われていたけれど、戦争という人の命をやり取りする状況であっても、作戦に不具合があっても「あいつの立場が悪くなるから」とか「あいつの顔を潰すから」という理由で冷徹になりきれなかったという話もある。
他にも、アメリカと戦争が始まるときにも「勝つことを前提としてしない」戦いに向かったりしたということもある。(山本五十六大将の「1年から1年半は暴れて見せる」の言とか。)
結果、現場の人たちはものすごく戦ったけれど、それでおしまい。で、A級B級戦犯も、東京裁判という、連合国による茶番の裁判の犠牲になった立派な人たちだったと反論されて、結局、誰が悪かったのかもわからなくなった。
そして今、結局、原発事故の原因って究明されたのだろうか?
福一では、冷却用ディーゼル発電装置が津波の海水をかぶって機能停止してメルトダウン、というのが原因だったと思うのだけど、その経緯やその指揮命令系統がどうだったのかは未だに明らかにされていない。
反原発を言えば、理系的な知識のないやつのバカの発言とか、結局、日本でエネルギーにおける自立のためにはしょうがなかった、とか、デモがあれば「あいつは○○の組織のスパイだ」とかで分裂したり、なんかまったく方向性の違う話になってしまうのが、ちょっと残念な感じ。
戦前の「非国民」とかいって戦争に協力させたピアープレッシャーのやり方、今も変わっていないような。
今、原発で働く作業員の人と、戦争で散華した人たちがどうもかぶるんだよね。
BEGIN - 君を見ている