2013年5月18日土曜日

これから僕らはどうやって生きていったらいいの


最近は、アベノミクスで経済が好転してきたというニュースが多くなってきているけれども、12月にあった衆議院議員選挙から、間違いなく変化は始まっているような状況ではあるとは思う。 

で、次は参議院議員選挙に向けて、何とかねじれ国会の状態を解消しようと、自民党はやっきになっているようだ。
もう国民は何も決められないねじれ国会を解消するために、安倍総理は国民ウケするような改革を矢継ぎ早に進めていて、ここまではまずは成功しているような感じもする。

バブルの崩壊からもう20年以上が過ぎたけれども、世の中の進み具合といえば、携帯とかパソコンとかインターネットとか、ITの分野以外は、ものすごい進歩というのは、一見、あまりないようにも感じる。

なぜ、これまで日本の国民が選挙を通して、ねじれ国会の状態を選択してきたのかというと、原因のひとつは小選挙区制によって、少数による多数の支配が可能になった現状で、ひとつの政党の執行部、つまりすごい少数の人々に日本の舵取りのすべてを預けてしまうことに対して恐怖感があるからだったのだろうと思う。だったら機能不全の方がまだいいよ、という。

以前は中選挙区制だったから、例え自民党が両院で圧倒的に過半数であっても、党内に派閥という形で5つぐらいの政党が同居しているようなものだから、それほど危険性はないけれども、今はそうじゃないのではないかということ。簡単に言うと独裁ができちゃうよ、ということでもある。(そういう意味では、小選挙区制を導入した小沢一郎さんの動きっていうのもおもしろいけれどね・・・。)

まあ、それでも先が見えないよりは、安倍総理の海外にいっぱい打って出て働いて豊かになろうぜ、というメッセージは実に魅力的で、彼を信じて参院選でも自民党を選ぶ人を増やすだろうということではあるのだけどね。

その理由は、日本国民の民主党に対する失望がものすごく大きかったというのがひとつ。彼らは2009年に政権交代させるところまでは良かったけれど、結局やったことと言えば、事業仕分けみたいなショーや、コンクリートから人へで、やったのは途中まで作ったダムを放棄するとかの公共事業の削減とか、東日本大震災における原発事故の対応とか、尖閣諸島沖で漁船をぶつけられても、その船長を簡単に解放したり、そんなに中韓と仲良くしていたようでいて竹島や尖閣諸島で彼らの増長ともいえる行動を引き出したこととか、このまま日本が本当に滅ぶんじゃないかと思わせることが多かった。
確かに無駄は減らさないといけないけれど、将来に対する投資も削っていくのはどうだろうか。

これじゃ、民主党に投票したくてもできないし、残りは維新とかみんなの党とか・・みたいな。受け皿がないじゃん・・。

そんな毎日。

で、最近、見た記事におもしろいものがあった。

 朝日新聞の「オピニオン」欄に寄稿 (内田樹の研究室)

中身を簡単に紹介すると、これまで国家というのは、国民が集まって、その国民の利益のために動く政治単位だったものが、国民の代わりにグローバル企業中心の政治単位になりつつある、というもの。日本の会社(企業)は、最初は日本人の日本人による日本人のための組織だったものが、時代の変化とともに色んな国の色んな国による、株主のための組織、になったということである。
この日本発のグローバル企業は、名前が日本風というだけで、実際には無国籍な利益追求の組織でしかない。そして究極的には株主の利益のために何でもする。しかも5年先ぐらいのところまでしか先を見ない。

結果、どうするかというと、日本発だという名前や親近感を利用して、日本の利益になるからと人々をだまし(いわゆるトリクルダウン論)、日本の資産、例えば、補助金や税制優遇(言い換えれば国民の税金)、安定して低コストな社会インフラ(例えば原発で作る電気)、そして人材(派遣労働などに関する法律によって低賃金化、かつ解雇が楽になった)、などを要求する。しかし、これは「日本の発展になるから」という、大ウソを吹いているにすぎず、実際に彼らの利益のために利用されるに過ぎない、という形ができあがる。

経団連みたいなところは、日本の発展のために原発を稼働させるべきだ、みたいなことをよく言っているけれども、じゃあ原発が福一で実際、爆発した後、彼らはいったいどれぐらい除染を手伝っただろうか?福島から優先的に雇用をしているだろうか?
できるわけがない。そういう利益にならないことは株主が許さないから、したくてもできない。

トリクルダウン論は、先に富める者が富めば、貧しい者にも富が浸透するという話だけれども、もし仮に浸透するにしても、その浸透する先は低賃金でグローバル企業に労働力を提供する発展途上国の人たちだろうと思う。そうすると、日本人はその国の人々と同じレベルまで賃金が平準化するということだから、グローバル企業のために日本に原発を作っても、そんなに得になることはない、ということになる。まあ全地球的に見れば、それが正しいのかもしれないけれども・・・。

まあ、こういう話の形は、過去にいくらでも話はあって、歴史を見ると、満州国建国とかブラジル移民とか、日本人は基本的にそういう拡大政策は嫌いではないような感じもするけれども・・・、そこに渡った人たちがどういう人生を生きたかも、なかなか興味深い。二階に上ってハシゴをはずされ・・・、みたいな。

まあでも、発展に挑戦するのはおもしろいよね、ウジウジして小金を貯め込んでたって、つまんないからさ。笑 

※書いている間に思いついたんだけど、やたらTPPとかで日本に経済的に干渉してくるアメリカ企業、例えば自動車、農業、製薬その他アメリカ議会でロビイスト活動をしている企業の株を、日銀がばんばんお金を刷ってTOBして、日本の国益に脅威になる会社には、取締役会で抵抗できるようにしたらどうだろうか?